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(第5回)一番のブラック企業は、なんと公立学校だった!

教師の残業問題
03 /20 2018
teacher_tensaku_man.png  ~教師の残業問題について考える~(弁護士 岡井理紗)

【働き方改革にかかる緊急提言がなされました】
 これまで述べてきたように、公立学校の教師の労働、特に残業問題に関しては、大きな問題があります。
 この点について、平成29年11月6日、現職の教師らが、働き方の改善案を盛り込んだ緊急提言を文部科学省に提出したと発表しました。
 現職の教師らが、何とか自らの労働状況を改善しようと取り組んでいることがわかります。
 今回は、この緊急提言の内容を、取り上げたいと思います。

【「勤務時間」を意識した働き方を進める・・・タイムカード】
 この緊急提言において、もっとも重要視されていると思われる点は、「勤務時間」を意識した働き方を進めるという提言です。
 公立学校では、通常の企業のような「タイムカード」というものはほとんど導入されておらず、勤務時間を客観的に把握できるものがないのが現状でした。
 学校側は各教師の実際の労働時間も把握できていないのですから、これでは労働時間の改善がはかれるはずもありません。
 そのため、そこで、少し前からは、学校にもタイムカードを導入しようという動きが出ていますが、それでもまだまだ少数です。
 教員勤務実態調査(平成28年度)によれば、タイムカードで出退勤時刻の管理を行っている学校は、小学校で10.3%、中学校で13.3%、公務支援システムなどICTを活用して出退勤時刻の管理を行っている学校は、小学校で16.6%、中学校で13.3%にとどまっています。

【「勤務時間」を意識した働き方を進める・・・部活動顧問】
 現在、部活動の顧問は、絶対ではないといいつつ、ほぼ強制的に就任させられているという現実があります。
 しかし、部活動の顧問という役割が、教師らの労働環境をさらに悪いものにしていることは、第2回の記事で述べたとおりです。
 そのため、緊急提言では、部活動の顧問を任意制にする、土日祝日の部活動を禁止するというような内容が記載されています。
 部活動顧問の問題をクリアしようと思えば、その他にも、「部活動指導員」という部活動専門の指導者を雇ったり、地域と連携してボランティアで部活動指導を補ってもらうなど、様々な方策が考えられるところです。

【「チームとしての学校」の実現】
 これからの公立学校運営のために必要なのは、チームとして学校を作り上げることだと思います。
 つまり、学校において発生する様々な仕事を、役割分担、分業制にするということです。
 企業においては、当然に行われていることですが、なぜか学校においては、すべての役割を教師が担ってしまっています。
 そのために、教師の仕事量が増え、残業問題が生じてしまっているといえます。
 たとえば、部活動について、先ほど出てきた部活動指導員にお願いするというのも役割分担の一つです。
 その他、事務作業など教師資格がなくてもできる仕事はできるだけ事務スタッフに、生徒らの精神的サポートは、スクールカウンセラーに、など、それぞれ専門のスタッフに任せることで、教師は学習指導に集中することが可能になると思われます。
 この緊急提言を機会に、大問題となっている教師の残業問題が少しでも改善され、「チームとしての学校」の実現を図る時期が来ているといえます。

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