今年の秋模様①

ボス弁:季節のこころ模様
11 /20 2017
振り返ってみる松花堂の紅葉
        (2017.11.4旅行)

八幡の松花堂庭園に行ってきました。
庭園を出たのは、午後4時で
夕焼けが始まろうとしていました。

庭園の方を振り返ると
この木が眼に入りました。

園内では気付かなかったですが
この木が最も見事に紅葉していました。


①如舫亭から池の蓮を見る

治療費を打ち切られたら・・・・(後編)

交通事故
10 /31 2017
teacher_tensaku_man.png  ~治療費を打ち切られたら~(弁護士 北野英彦)

 前回は治療費支払を途中で打ち切る保険会社の事情についてお話しました。
 今回は、支払いを打ち切られた被害者の側が取るべき対処についてお話していきたいと思います。

1.健康保険を使って通院を続けるべき
 保険会社が治療費支払いを打ち切った後も通院を続けたい場合、窓口で治療費をその都度支払う必要があります。
 ところが、健康保険も使わずに病院に行くと、治療費全額を負担する必要があるため、驚くほど高額な請求を受けることがあります。
 そのため、中には、保険会社の治療費打ち切りと同時に通院を止めてしまう(痛みをガマンしてしまう)方も少なくありません。
 しかし、痛みがあるのに通院を止めてしまうことは、本来行うべき治療が進まないだけではなく、後遺障害の認定に重大な影響を及ぼす可能性があります。
 そこで、私どもは通院を続けたい依頼者の方に、お持ちの健康保険を使って通院を続けるという方法をお勧めしています。

2.「健康保険は交通事故の治療に使えない」?
 ところが、依頼者の方から時折、「病院で健康保険は使えないと言われた」という話を聞きますし、昔は「健康保険は交通事故の治療に使えない」といわれた時代があったようです(ちなみに、私も事件の中で病院から同じような話を言われて口論になったことがあります。)。
 しかし、今も昔も健康保険は交通事故の治療でも使えます。病院側が「交通事故の治療には健康保険を使えない」として拒否することは認められません。

 あきらめずに病院に「健康保険で通院したい」と申し入れましょう。
 
 健康保険を使うと、全額(10割)負担だった治療費が自己負担部分(一般には3割程度)だけを窓口で支払うだけで通院ができますので、治療費の負担を大幅に減らすことができます。
 お手元の治療費支払いが厳しい方は、ぜひ健康保険を活用しましょう。

3.自賠責保険の仮払い制度も知っておこう
 また、あまり知られていませんが、自動車事故では車の運転手が自賠責保険に加入しているはずですので、自賠責保険の「仮渡金」を請求するという方法もあります。
 仮渡金としてもらえる金額はそう多くはありません(ケガの程度などに応じて5万円、20万円、40万円の3段階)が、診断書や事故証明書など比較的簡単な書類を揃えて自賠責保険に提出すれば、受付から1週間程度で支払を受けることができます。
 手続は相手方の自賠責保険会社に電話すれば大抵は書類を送ってもらえます。

4.治療を止めれば後遺障害にも影響する
 前回お話しましたように、治療費の支払いを打ち切られた後も治らない場合のことを「症状固定」(=これ以上治らない状態)と言い、その場合は後遺障害が残っている可能性が考えられます。その場合は、後遺障害に対する慰謝料などの賠償金を支払ってもらえる可能性が出てきますので、後遺障害の認定に提出する医療記録などの資料を準備する必要があります。
 しかし、治療費の打ち切りとともに治療を止めてしまうと、肝心の医療記録が作成されないため、どのような痛みや障害が残っているのかが外部から見えない状況になってしまいます。
 他方で、保険会社も被害者が「痛い」と言っているだけでは後遺障害を認めようがありません。やはり医療記録などの客観的な資料をもって後遺障害の存在を証明する必要があることを憶えておきましょう。
 症状固定後の通院は自己負担で通院するしかありませんが、事故に遭われた皆様、無理をして痛みをガマンするのではなく、「諦めず」、「遠慮せず」、に通院を続けて頂きたいと思います。


5.入通院(傷害)慰謝料の額にご注意を!
 治療費の支払いを打ち切ると、保険会社は次に
後遺障害の認定手続を行い、その認定結果を受けて
示談金額の計算に入ります。

 ②示談金額には治療費以外に休業損害や通院慰謝料、交通費、文書料など様々な賠償費目が含まれます。このときよく問題になるものの一つに、前回もお話した「通院慰謝料」というものがあります(ちなみに入院した後に通院した場合は「入通院慰謝料」と言います)。
通院慰謝料は通院した期間に応じて算定されることが一般ですが、通院慰謝料はかなり低額な基準で計算されることが多く、弁護士に依頼することで大幅なアップを見込める損害の一つとなっています。
  この慰謝料についてもお話をしたかったのですが、少し長くなってしまいましたので、この件については次回じっくりとお話したいと思います。

川沿いの道を歩く・・・哲学の道 2

ボス弁:季節のこころ模様
10 /13 2017
タイトル白沙村荘


【1300円は高いかもしれないが・・】
疏水に沿って、哲学の道を下っていくと銀閣寺道と交わる。
ここが哲学の道の下流側の終着である。
この道を右に曲がって歩けば銀閣寺門前に至る。
逆に左の出町柳方面に3分ほど歩くと日本画家橋本関雪の記念館がある。
《白沙村荘》という。

そこでもらったパンフレットには「日本画家が、東山の麓に描き出した文人の理想郷」と記載されている。
ここに何があると言えば、木々と草、池などで構成された落ち着いた空間がある。
入園料は1300円、ちょっと遠慮したくなるような値段でもある。

しかし、敷地1万㎡(3000坪)あり、建物も多いので、維持していくのは大変だろう。
高いと思えば高いが、池に面した部屋に座り、吹きぬけていく風を感じる、その価値をどれくらいとみるかで考え方も変わってくる。
さっさと歩いて、流れ作業で見て廻り、《はい、終わり》なら高い。
そうではなく、時間をかけて味わうというのであれば、少なくとも時間当たりの単価はそれほど高くはならないだろう。


①如舫亭から池の蓮を見る
如舫亭から池の蓮を見る


【蓮は天国ではなく、極楽の花】
白沙山荘に行ったのは8月16日の大文字送り火のあった翌日である。
池には蓮の花が5~6輪、咲いていた。

同行した友人が咲いている蓮をみて感激したのだろう、《きれい、天国みたい》と言う。
思わず、《天国と違う、極楽やろう》と言ってしまった。
濁った池から出ている大きな葉っぱ、その上の丸まった水滴、白い花弁に薄いピンクが指した花、これはおそらく仏教の世界である。

参考までに言えば、奈良、東大寺の大仏は蓮の花弁の上に座っている。
友人はクリスチャンである。
ユダヤやエルサレム、ヴァチカンにはこんな花はないであろう。



蓮の花

蓮の花
大きな葉、白色にうっすらとピンクが入った蓮の花

【カワセミが飛んでいる】
池に面した「存古楼」に座って、ゆっくりとしゃべりながら池を見ていた。
そのとき、池の反対の岸を左から右に、青色の何かがよぎった。
直線的な動きだ。

《まさか、カワセミ、まさか》

又、動いて、今度は蓮の池の方に飛んだ。
その時の写真が下である。


カワセミと蓮の写真
カワセミが蓮にとまっている《極楽の風景》


中央にカワセミが写っているのがおわかりだろうか。
山中の渓流にいる鳥というイメージがあるが、
まさか、こんなところにいるなんて思いもしなかった。

以前にここに来た時には見かけなかったのに。
この園内には関雪の絵画も展示されている。
その中にカワセミの絵の軸があった。


軸の絵の写真
関雪の描いたカワセミ(背景は清流のようである)


そうするとあのカワセミの先祖は関雪の時代にもいたのであろうか。
なにせ、ここは1000年の都で伝統を重んじるところである。
このカワセミも代々にわたって、この伝統の地を守ってきたのであろうか。

【時間が流れていく】
前回(去年10月)ここに来た時には、「存古楼」で謡曲の会合が開かれており、いかにも京都らしいという感じがした。




存古楼の内部にはただただ、広い板敷の空間が広がっている
(なお、今回の冒頭の写真の建物がその外観である)



この建物の池側(写真で言えば左端の窓側)に座って、池を見つめていた。
床が板敷の百畳以上もありそうな広い部屋である。
涼やかとは到底いえないが、それでも背中の方から、ゆったりとした風が吹いていた。

30~40分は座っていただろうか。
話もするし、沈黙もありで、時間がゆっくりと流れていく。
そんな豊かな空間での、そして優雅な時間でもあった。

【一群の《草》が印象的であった】
蓮もあり、カワセミも見たが、一番印象的であったのは《草》であった。
目の前の池の左端に、20数本ほどの草が群植されていた。
すんなりと背が高く、人の首あたりくらいまでの高さがある。
庭は丁寧に手入れされているので、この草も意図して植えられ、今まで維持されてきたのだろう。
おそらく花といっても、稲の花のようにほとんど目立たないようなものだろう。
もし、自宅の庭に生えていたら、すぐに抜いてしまうようなものだ。


芙蓉池
芙蓉池の北西岸に一箇所に固めて植えられている草


しかし、この庭では、池と見事に調和して、蓮以上の存在感があった。
(上の写真はアップしすぎているので、草の全体像が見えない。
もう少し、広角にした方がスッキリとした立ち姿と池の雰囲気との調和がわかりやすかっただろう。)

蓮とこの草とどちらを持ち帰るかと聞かれれば、それはもちろん蓮である。
しかし、そんな草でも、その植えられている位置や周囲の池との調和が良ければ、《いいなぁ・・》と印象に残ってしまう。

橋本関雪は1913年から45年までの間、この庭園の造営を行ったという。
この草も彼の美意識により、選びだされてその位置に植えられ、今日まで引き続き維持されてきたのであろう。
花も目立たないような草を見事に主役の一員として位置づけ、その個性を生かしている、ここに関雪の芸術家としてのセンスが見られるということだろう。

(弁護士 大澤龍司)

(第3回)一番のブラック企業は、なんと公立学校だった!

教師の残業問題
10 /11 2017
teacher_tensaku_man.png  ~教師の残業問題について考える~(弁護士 岡井理紗)

【教師の残業時間は過労死ラインを超えています】
 これまで述べてきたように、教師の残業時間は、年々増えています。
 今では、過労死ラインとされる、1ヶ月の残業が80時間を超える教員が、小学校で約3割、中学校で約6割に達しているようです。
 それなのに、教師には残業時間に見合った残業代が支払われていません。
 この問題の根幹にあるのは、教師の仕事の特殊性を理由に作られた、公立学校の職員を対象とする法律の存在です。
 この法律の特殊性・問題点について、公立学校の職員以外の労働者の残業代がどうなっているのかと比較しつつ、お話しします。

【民間企業・地方公務員の残業代は?】
 まず、民間企業については、労働基準法という法律で、時間外労働についての定めがあります。
 その内容は、会社と労働組合等が三六協定と呼ばれる時間外労働に関する協定を結ぶことにより、会社は時間外労働を命じることができるようになり、時間外労働をした労働者に対しては、その労働時間に応じた手当が支払われるというものです。
 地方公務員についても労働基準法で定められていますが、やや特殊で、「公務のために臨時の必要がある場合」に時間外勤務を命じることができるという内容になっています。
 ただ、時間外勤務をした場合の手当てについては、民間企業と同様、時間外勤務手当が支給されます。

【公立学校の職員に適用される法律・・・「給特法」の存在】
 公立学校の職員も「地方公務員」ですので、本来であれば、上記のとおり時間外勤務時間に見合った時間外勤務手当が支給されるべきです。
 しかし、公立学校の職員にのみ適用される法律があるために、勤務時間に見合った手当が支給されていないのです。
 その法律は、「給特法」と言われるもので、正式名称は、「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」といいます。
 この法律には、時間外勤務手当は支払わず、代わりに月給の4%にあたる教職調整額を一律支給するということが定められています。
 その上で、教員の時間外勤務が増大しすぎないように、給特法は、学校は教員に原則として時間外勤務を命じてはならず、臨時または緊急の場合にだけ時間外勤務を命じることができるという内容にしました。
 しかし、実際、公立学校の職員は、「臨時または緊急の場合」だという理由で時間外勤務を学校から命じられて行っているわけではなく、「自主的に」時間外勤務を行っているということになっているのです。
 「自主的な時間外勤務」はどんどん増え、もともとは原則時間外勤務は禁止であったはずなのに、いつの間にか過酷な勤務状況になっている現場は多く存在します。
 つまり、結局は時間外勤務の増大への歯止めにはなっておらず、それどころか時間外勤務をしても時間に応じた手当を支払わなくていいというおかしな状況が認められてしまっているのです。

【給特法の改正を早急にするべきでは?】
 結局過酷な労働をせざるを得ない実情があるのならば、原則時間外勤務を命じられないことを前提に低額の教職調整額のみを支払うこととしている給特法の意味は、すでに失われているといえます。
 このような実情からすれば、一刻も早く、この給特法を改正し、公立学校職員にも時間外勤務時間に見合った手当が支給されるべきだと思います。
 ただ、現在は月給の4%しか支払われていないものを時間外勤務時間に見合った額まで増やそうと思えば、莫大な財源が必要になります。
 おそらくそのような財源は確保できないでしょう。
 しかし、勤務時間に見合った手当を支給するという制度になれば、学校側が職員の労働時間を正確に把握し、過酷な労働の実態を知ることになるでしょう。
 また、財源が足りないのであれば、各職員の仕事内容のうち、省ける部分はないか、ボランティア等のスタッフを募集してカバーできる部分がないか等の見直しがなされることも一定程度期待できます。
 公立学校職員の労働問題の改善のためには、給特法の改正は必須であるように思います。

~次回は、公立学校の職員に適用される法律とは?を考えます~

治療費を打ち切られたら・・・・(前編)

交通事故
10 /02 2017
teacher_tensaku_man.png  ~治療費を打ち切られたら~(弁護士 北野英彦)

 交通事故の案件では、加害者の保険会社が通院先の病院に直接治療費を支払うため、被害者の方は窓口で1円も支払わずに治療を受けられるケースが多くあります。

 ところが、まだまだ痛みがあって治療を続けたいのに、「保険会社からそろそろ3ヶ月ですね。今月末には治療を打ち切ります、と言われた。どうして治療を続けられないのか?」、という依頼者の方によくお会いします。
 保険会社は従前より多くの事案で「3ヶ月で打ち切り」「6ヶ月で打ち切り」と言い続けてきているため、「みなさん6ヶ月で打ち切りですよ」と言われて納得される方も珍しくありません。

 しかし、上記のようにまだまだ治療を続けたい方にとって、このような治療費打ち切りの問題は非常に切実です。そこで、今回と次回と2回にわたって治療費打ち切りのポイントをご紹介していきたいと思います。

ポイント1 打ち切らないと保険会社は高額支払いを迫られる
 当然のことですが、ケガの程度や治り具合は人それぞれであり、法的に3ヶ月、6ヶ月で治療を打ち切る根拠はありません。
 ただ、保険会社としては、治療が長引くと支払が高額になってくるため、無用な治療費の支払を防ごうと「治療費の打ち切り」のタイミングを計って提案してくるものと思われます。

 また、保険会社は、治療を続けている期間に応じて「通院慰謝料」という賠償金を別途支払うのが通常です。そのため、保険会社は治療が無用に長引いてこの「通院慰謝料」が不当に高額になることを防ぎたいという観点を持っていると思われます。
 ほかにもいろいろと理由は考えられるところですが、主に無用な治療費や慰謝料の支払いを避けるために治療費の打ち切りを打診してくるのだろうと思います。
 ただ、被害者の方にとって保険会社の都合は関係ないお話ですので、このようなことを言われてもまず納得できないことでしょう。

ポイント2 保険会社は治療の成果を見て判断する
 では、保険会社が治療を打ち切る「無用な治療」とはどのようなものでしょうか。 
 それは(少し言いすぎかもしれませんが)「成果が上がっていない治療」ということになるでしょう。
 たとえば、どれだけ日数が経っても痛みが治まらない、リハビリをどれだけ続けても一向に関節の動きがよくならない、などのケースが考えられます。
 私ども弁護士は、診断書など医療記録を見て「治療内容も投薬もずっと変わってないなぁ・・・治療の成果が上がっていないのでは?」と考えます(おそらく保険会社も同じように考えているのでしょう。)。
 このように、成果が上がらない治療を続けることは実際上難しく、どんなに痛みがあっても治療の意味がないということになってしまいます。

ポイント3 どうしても治らない場合は後遺障害の認定を
 このような場合、多くは症状が固定(=これ以上治らない状態)に達し、後遺障害が残っているという可能性が考えられます。そのため、治療費は打ち切られるとしても、後遺障害に対する慰謝料などの賠償金を支払ってもらえる可能性が出てきます。
 もちろん後遺障害の認定手続はなかなか厄介ですが、何事も諦めてはいけません。


 後遺障害の認定や賠償問題については交通事故の重要論点ですので、別の機会に詳しく触れることがあると思いますが、次回は、
①実際に治療費打ち切りに遭った場合の対処法
②通院慰謝料がどの程度の金額になるのか、
 について書いてみたいと思います。